読んでおいてほしい入門書
「読んでおいてほしい入門書」(村越先生おすすめ!)
高校までには「心理学」という科目はありません。ですから、高校生の中には心理学に対して誤解を持ったまま大学に入学してくる学生も少なくありません。「心理学に進もう」と思ったら、まず心理学の本を読み、それがどんな分野だかよく研究してください(これは心理学への進学に限らずですが)。教育心理学に関係する、高校生でも読みやすい・興味を持てる本を紹介します。
■麻柄啓一 じょうずな勉強法―こうすれば好きになる 心理学ジュニアライブラリ 北大路書店
北大路書店では、ジュニア向けの心理学の本をシリーズで出しています。「やる気はどこから来るのか」「心理学って何だろう」などがそれです。この本はその中でも学習に関する心理学的研究を生かしながら勉強法について触れたものです。教育心理学がどんな研究分野を知ると同時に、実際の勉強にも役立つ一石二鳥の本です。このシリーズは値段も1200円くらいと、高校生にも手頃です。
■市川伸一 勉強法が変わる本―心理学からのアドバイス 岩波ジュニア新書
これも、麻柄さんとほぼ同様の内容の本で、値段も1000円を切っています。教育心理学に関するかなり幅広い領域を扱っているし、勉強の参考にもなるでしょう。この本で示されているように、自分がやっていることを理論面から見直したり、理論的な知識を実践に生かす経験を積むことは、単に受験力を高めるだけでなく、本当の勉強力を高めてくれるでしょう。
■三田紀房 ドラゴン桜 講談社(コミック)
落ちこぼればかりの3流高校を「東大進学校」に変身させようとする櫻木という弁護士を主人公にしたコミックです。3流高校から東大進学?荒唐無稽な話に思えるが、考えてみれば、スポーツ漫画にはよく出てくるモチーフです。いわばこの本は勉強版スポ根漫画なのです。スポ根漫画なので「魔球」や「秘術」も登場します。興味深いのは、これらの「魔球」や「秘術」が教育心理学的にも理にかなっているものが多いことです。鵜呑みにすることはできないが、自分の常識とは違う勉強法に出会うよいきっかけになるでしょう。
■西林克彦 1994 間違いだらけの学習論 新曜社
上記の本と比べるとやや難しいかもしれません。本専修との関連でまずおすすめしたいのが、この本です。教育心理学から見たとき、皆さんがやっている学習法の中には不適切なものがあります。どんな学習法が適切なのかを教えてくれるこの本は、教育心理学の入り口としても格好の本だし、実際にも役立つでしょう。